世界で最も影響力があるPANTONE COLOR・OF・THE・YEAR
2020年は、「クラシックブルー」に決定しました!!
C100 M76 Y25 K0
CMYKは、Cyan青 Magenta紅 Yellow黄 Key plate黒となっています。
クラシックブルーは、紺青に変わりつつある清澄な宵の空の色や、清冽な海の深潭を思わせる神秘的な色です。
それに北斎の愛し、私達日本人の愛した藍の色でもあります。
信州諏訪湖 | 甲州石班澤 |
相洲梅沢左 | 相洲七里浜 |
「人間の精神を安らげ、集中力を高め、明晰さを齎す色」として、米企業PANTONE社に2020年のテーマカラーに選出されたこのクラシックブルーですが、この藍色の美しさはむしろ、日本人の感性にこそ響くものがあるように思われてなりません。
それと言うのも、日本には古来より人々の暮らしを彩ってきた藍染の歴史と文化があるからです。
日本に植物の藍が伝来したのは、飛鳥から奈良時代といわれています。
藍は染料として用いた際の美しさのみならず、優秀な薬効を持つことから、貴重な民間薬としても知られていました。
また、藍染めの木綿には抗菌作用があり、皮膚病の予防や傷口の化膿止めにもなるとされ、安土桃山の時代には、幅広く民衆の暮らしに普及し、江戸時代には高級衣装までが藍染となりました。
結果、今日に至るまで続く伝統として確立されています。
これに驚いたのは、明治初期に来日し、幾つかの学校で教鞭を取った英国人科学者アトキンソンです。
彼はこの私達の暮らしに深く根付いた藍の色を指して、「ジャパンブルー」と呼びました。
しかし、ジャパンブルーと言いましても、藍色の歴史は我が国に限っても千年以の昔に遡れますから、それに相応しく様々な種類がありまして、こう一口に言い表せるものではありません。
それでも敢えて例として挙げるならば、およそひとつだけ、我が国の芸術文化を語る上で避けては通れない藍色、江戸の人々のみならず、世界をも魅了した美しい藍色があります。
それこそが葛飾北斎の富嶽三十六景に用いられた、所謂「北斎ブルー」です。
色のもつイメージでは、伝統的な安定性印象と共に、モダンな雰囲気も醸し出せる独創的で奥深い特徴があります。
この時代に安らぎが満たされる事を祈ります。
(葛飾北斎 画像はwikipediaより)