日本にある外資系企業のリロケーションサービスは、構造的な問題があります。
最近、外資系企業はコスト削減のために、人事部を外部のリロケーション会社にアウトソーシングしています。
しかし、従来、社内の人事部が行なっていた社員向けサービスを、外部業者に丸投げすることは、うまく機能できません。
そのため、リロケーションの業務は問題が著しく表面化し、クレームが続出しています。
外資系企業は、リロケーション業務を抜本的に見直す必要があります。
現在の問題の原因は、以下の点にあります。
(1) 会社への帰属意識の欠如
リロケーションサービスを外部の業者に丸投げすると、外部業者は、クライアント企業の組織の一員ではないため、組織への帰属意識がありません。
(2) 社員教育と経験不足
外部のリロケーション会社は、クライアント企業の社員と、社員の質で大きな差があります。
仕事の経験が不足しているだけでなく、社員教育トレーニングが、できていません。
そのため、外国人クライアントは、煩雑な仕事を強いられます。
(3)リベートの横行
リロケーション会社は、不動産会社に対して、バックマージン(リベート)を請求します。
これは、リロケーション会社の、外国人クライアントに対する背任行為で、今日ごく普通に頻繁に行われています。
外資系企業は、人事部の業務を、外部業者に丸投げする経営戦略は、うまくいきません。
外部業者に人事部の業務を依頼する場合は、業務の内容を、慎重に監査する必要があります。