無垢材などの天然木のフローリングは高級感があり好まれる。しかし賃貸の場合は、天然木のフローリングは、注意が必要と思われる。
賃貸借契約の修繕義務は、故意若しくは過失の場合は借主の責任となるが、それ以外は自然損耗として、貸主の責任と規定されている。安価でかつ丈夫な床であれば、負担が少ないので、紛争になることはないが、高価でかつデリケートな天然木のフローリングの場合、紛争になり易いと言える。
そのようにならないためには、貸主と借主の双方が、賃貸借契約の修繕義務の法的解釈の理解だけでなく、天然木のフローリングの管理方法を、知識として知っておく必要がある。「備えあれば憂いなし」で、できるだけ早めにしっかりと準備をすることで、貸主と借主の間の良い関係が形成される。
(借主のお手入れ方法)
直射日光を避ける
天然木フロアはお使いいただいている間に太陽光や照明などの光の影響によって徐々に色が変わったり褪色したりすることがあります。直射日光が当たる床面では、変色・褪色が早まります。カーテンで出来るだけ遮ってください。
フローリングのそり・ひび割れ・変色・褪色を防ぐためカーテンで出来るだけ遮ってください
接触する部分にフェルト等を取り付けて保護してください。
長時間濡れたままにするとシミ・変色・ひび割れなどのもとになります。水などをこぼした場合はすぐに拭き取っていただくことが大切です。ラグを敷くのも効果的です。
ダイニングテーブルの下にラグを敷くと、食べ物のシミを防ぎ、椅子のひっかき傷も避けることができる
水が飛び散るおそれのある場所にはマットを敷いて保護してください。
キッチンマットを敷く
長期にわたり結露の水分が床に吸収されるとシミや波打ちが起こります。
観葉植物の鉢は、必ず水受け用の皿などを敷いてください。
こぼした場合は、固く絞った雑巾か中性洗剤を含ませた雑巾で拭き取ってください。
エアコンの暖房を長時間連続して使用すると室内が乾燥しすぎ、フロアの継ぎ目にスキ間ができたり、表面のひび割れを生じたりすることがあります。加湿器などで適度な湿気を補うようにしてください
参考:https://www.woodtec.co.jp/maintenance/index05/
(貸主の対策)
貸主は、入居者が入居して家具を配置してしまった後では、床全体に天然財のワックスなどを塗る作業を行うことは困難であるから、入居前に対処すべきである。
入居前の対処ができなかった場合は、入居者に天然木フローリングのお手入れ方法を、ガイドブック等を作成して借主に注意を促す。
賃貸借契約終了後に、サンドペーパーなどで、擦る作業を行う。